横浜市都筑区の株式会社ケービーエスで、トヨタの90系ヴォクシーの前まわりを、車体を引く作業と部品の交換で直しました。押されていたのは左前が中心です。ボンネットや左右のフェンダー、左右のヘッドランプ(ヘッドライト)、ラジエーターサポート(コアサポート)なども取り替えました。足回りの土台になるクロスメンバーも新しくし、最後は前方レーダーの光軸調整まで行いました。型式は6BA-MZRA90W(ガソリン車・8人乗り)で、初度登録から1年ほどの車です。色はカラー番号218(アティチュードブラックマイカ)で、取り寄せたボンネットとフェンダーは車に付ける前に塗っています。

ボンネットやライトだけでなく、その奥まで傷んでいるのではないか。車の前が大きく押されたときは、まずそこが気になると思います。運転を助ける装置の警告がメーターに出ていれば、なおさらです。このヴォクシーも、左フェンダーの前の端が押されてしわが寄り、メーターには「機能故障 販売店で点検」と表示されていました。
修理前と修理後|正面から見た90系ヴォクシーの前まわり
左の写真が修理前、右の写真が修理後です。どちらも車の正面から写しています。修理前は、バンパーの左下が押されて垂れ下がり、グリルの左側とボンネットの先にも曲がりがありました。


修理後の写真では、取り替えたボンネットとグリル、バンパー、左右のヘッドランプが並んでいます。塗り終えたフェンダーやドアのつやは、このあとの「塗装」と「車上塗装」の段の写真で確かめられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 車種 | トヨタ 90系ヴォクシー(ガソリン車・2WD・乗車定員8人) |
| 型式 | 6BA-MZRA90W/原動機 M20A(車検証) |
| 初度登録 | 令和7年7月(車検証) |
| カラー | 218(アティチュードブラックマイカ)。番号はコーションプレート(車体の銘板)の COLOR 欄で確認 |
| 損傷箇所 | 前まわり(左前が中心):ボンネットの先の左側の曲がり/左フロントフェンダー(前の端のしわ)/右フロントフェンダーの前の端(バンパーとの境目のまわり)/左ヘッドランプのまわり/フロントバンパーの左下(垂れ下がる)とグリルの左側/分解して見えた、バンパーの奥の補強材の左の端と、左フェンダーの内側の部材の曲がり/メーターに「機能故障 販売店で点検」の表示 |
| パネルごとの直し方 | 交換:ボンネット・左右のフロントフェンダー・左右のヘッドランプ・フロントバンパーとグリル/交換(車体を引いたあと):ラジエーターサポート・フロントサスペンションクロスメンバー/交換せず塗装(車に付けたまま):左右のフロントドア・左右のAピラーの外側 |
| 取り寄せた主な部品 | ボンネット(フードパネル)とヒンジ・ロック/左右のフロントフェンダー/左右のヘッドランプ/ラジエーターとエアコンのコンデンサー/ラジエーターサポートの部品/フロントサスペンションクロスメンバー/右のフロントフェンダーエプロン/フロントサイドメンバープレート2枚/カウルパネル/前方レーダー/超音波センサー(ソナー)4個/エンジンルームの配線 など |
| 塗装範囲 | 218で:取り寄せたボンネットと左右のフロントフェンダー(車に付ける前に、スタンドの上で)/左右のフロントドアと左右のAピラーの外側(車に付けたまま)/黒に塗った所:エンジンルームの中の部材 |
| 主な工程 | 傷の記録 → 分解して奥を確認 → 車体を作業台に固定してチェーンで引く → クロスメンバーとラジエーターサポートの交換 → エンジンルームの中の塗装 → ボンネットとフェンダーの足付けと塗装 → ドアとAピラーのマスキングと塗装 → 組み付けとエアコンのガスの充てん → 診断機での確認 |
| 修理後の確認 | 診断機の全体スキャン:写っている範囲に赤(異常)の箱はなし/前方レーダーセンサー(FRS):「前方光軸調整(動的校正)」の結果が「成功」(検査報告書の画面) |
| 修理のあと | ケービーエスの修理保証書をお渡し(対象は保証書の図に示した今回の修理箇所) |
ご相談の前に|奥まで傷んだ前まわりの交換・費用・日数
表から見える傷だけで直し方を決めず、外して初めて分かる奥の傷みや、部品が付く位置まで確かめてから判断する。これは代表メッセージで伝えている修理の進め方です。
交換か修理か このヴォクシーでは、ボンネットと左右のフェンダー、ランプやバンパーなど前まわりの部品を取り替えました。奥のラジエーターサポートと、足回りを支えるクロスメンバーも新しい部品にしています。左右のフロントドアは替えずに、車に付けたまま塗りました。一般に、強く押されて曲がったり、引き伸ばされて薄くなったりした板や部材は、交換を考える目安になります。直すか替えるかの線引きは、板金で直すか交換になるかの見分け方で取り上げています。
費用 費用を大きく左右するのは、取り替える部品の数、車体を引いて形を戻す手間、塗る範囲の広さです。この車では、外から見える部品から奥の部品まで数多く替え、車体も引いて直しています。塗ったのは、ボンネットと左右のフェンダー、左右のフロントドアなどです。お店ごとに金額が違って見えるわけは、見積もりがお店で倍も違うことがある理由で説明しています。通常の見積りは無料です。外から見えない奥まで部品を外して確かめるときなど、通常の見積りを超える作業が要る場合は、その費用を先にお伝えします。
お預かりの日数 取り寄せる部品が多く、車体を引く工程も入る修理では、部品のそろう時期が日数を大きく左右します。届く見通しが立った段階で、目安をお知らせします。日数の考え方は、車の修理期間の目安にまとめています。
保険を使うとき 保険を使う修理も、自費の修理もご相談いただけます。進み方の違いは、保険を使う修理と自費の修理のちがいで説明しています。
お見積りのご相談は、車全体と傷の寄り、車検証の3枚の写真から始められます。前まわりの傷なら正面と斜め前からも写し、メーターに警告が出ていればその画面も添えていただくと、状態が伝わりやすくなります。
部品がそろうまでのあいだの車のことも、修理のご相談と一緒にお知らせください。代車は、ケービーエスの勝田レンタカーにある200台以上のわナンバーの車からご案内します。ご案内できる車種は、その日の空きや、保険の内容によって変わります。
損傷確認|押された左前と、メーターに出た警告の表示
修理前の写真では、傷んだ所にテープで印が付けられています。左前では、ボンネットの先の左側が曲がり、左フェンダーは前の端が押されてしわが寄っています。


メーターには、「機能故障 販売店で点検」の文字と、運転を助ける装置のオレンジ色の警告の印が出ていました。運転を助ける装置の働きに異常がある、と車が知らせる表示です。

分解点検|バンパーの奥の補強材と、フェンダー内側の曲がり
工場ではフロントバンパーを外し、外からは見えない奥の傷みを確かめました。バンパーの奥にある補強材(バンパーリインフォースメント)は、車の左側の端が曲がっています。正面から写した左の写真では、右の端にあたります。左フェンダーの内側にある車体の部材も、大きく曲がっていました。


このあと、車体を作業台に固定して引く作業に進みました。
車体の引き作業|作業台に固定し、チェーンで前まわりを戻す
一般に、押されて動いた車体のままでは、取り付ける部品の位置が決まりにくくなります。そこでまず、ドアの下の縁(サイドシル)を作業台のクランプ(はさんで留める金具)で固定しました。車体を台に留めておくと、引いたときに車ごと動かず、引く力が傷んだ所に集まります。そのうえで白いタワー(チェーンを掛けて引くための柱)からチェーンを張り、油圧のポンプとチェーンブロックで車体の前側を引いています。左の写真が作業台への固定、右の写真がタワーとチェーンです。


ラジエーターサポート(ラジエーターなどを受ける前の枠)を外したあとも、奥の部材の先にチェーンを掛けて引きました。

同じような損傷でお困りですか?☎ 045-592-1040LINEで相談見積りを相談
部品交換|クロスメンバーとラジエーターサポートを新しく
左右の前輪の足回りを車体に取り付ける土台が、サスペンションクロスメンバーです。元のクロスメンバーはアームが付いたまま外し、新しい部品に替えました。左の写真が外した元の部品、右の写真が床に置いた新しいクロスメンバーです。


前の枠になるラジエーターサポートも、新しいものに替えています。ラジエーターやコンデンサー(エアコンの熱を逃がす部品)、ボンネットの留め具を受ける所です。一般に、この枠の位置がずれると、ライトやボンネットとのすき間にも響きます。

同じ90系ヴォクシーで、右側面のドア2枚とフェンダーを替えた修理は、90系ヴォクシーの右ドア2枚とフェンダーの交換で紹介しています。
見えない部分の塗装|エンジンルームの中の部材まで黒に
エンジンルームの中で、まだ車の色になっていなかった部材も、黒に塗りました。ボンネットを閉じれば見えなくなる場所です。塗る所のまわりのエンジンルームの部品には紙をかぶせ、塗料がかからないよう覆いました。


塗装準備|新しいボンネットとフェンダーも足付けから
取り寄せたボンネットと左右のフロントフェンダーは、車に付ける前に塗装ブース(ほこりを避けて塗るための専用の部屋)のスタンドに載せました。どちらも、まだ車の色が塗られていない状態です。表面を細かく研いでつやを消す足付けをしてから、色をのせます。細かな研ぎ目が付いた面には、上に重ねる塗料がしっかり食いつきます。


塗装|カラー番号218の黒で、付ける前のパネルを塗る
塗った色は、カラー番号218のアティチュードブラックマイカです。番号は、型式や色番号を記した車体の銘板(コーションプレート)で確かめています。黒い車は、塗った面の小さなむらや肌の荒れまで、映り込んだ照明の形にそのまま表れます。スタンドの上のボンネットは、つやのある黒の面に、ブースの照明と天井の格子がそのまま映り込んでいます。

左右のフロントフェンダーも同じ218で塗り終え、ヘッドランプが付く前の端から、タイヤを囲む縁まで、つやのある黒になっています。

車上塗装|ドアは外さず、Aピラーと一緒に細かく覆って塗る
左右のフロントドアと、フロントガラスの横の柱(Aピラー)の外側は、車に付けたまま塗りました。塗らない所に塗料が付かないよう、ビニールと紙、テープで覆うマスキングをしてから色をのせています。ドアの面には、研いでつやを消した跡があります。左の写真が塗る前、右の写真が色をのせたあとで、どちらも右のフロントドアです。


右のAピラーの外側も、まわりを細かく覆ったうえで、同じ218の黒に塗っています。となりのパネルまで塗るのが一般にどんなときかは、となりのドアまで塗ると言われるのは、どういうときですか?で説明しています。

部品の組み付け|ラジエーター交換とエアコンのガス充てん
塗り終えたボンネットとフェンダー、新しいヘッドランプやグリル、バンパーを組み付けました。ラジエーターと、エアコンのコンデンサーも取り寄せた部品です。エアコンには、ゲージ(圧力計)と充てん機をつないでガスを入れています。缶に書かれたガスの種類は「HFO-1234yf」です。下の写真は、ゲージをつないだところ、新しいグリルとバンパーを付けたところ、ガスの缶の順です。



電子診断|全体のスキャンと、前方レーダーの光軸調整
組み付けが済んでから、診断機(車のコンピューターが記録した異常を読み出す機械)を車につなぎました。車全体を調べた一覧に並ぶ箱は、緑(正常)と灰色の2色です。赤(異常)の箱は、写っている範囲には一つもありません。灰色は「構成されていません」、左下の白い「OBD」は診断機をつないだ口の印です。

取り寄せた部品には、前の車との距離を測る前方レーダーも入っています。診断機の検査報告書の画面では、「FRS(前方レーダーセンサー)」の行に「前方光軸調整(動的校正)」とあり、結果は「成功」です。「動的校正」は、車を走らせながら行う調整の呼び方です。装置が付いたバンパーまわりの修理の流れは、バンパーにレーダーやカメラが付く車の修理の話にまとめています。ケービーエスは、関東運輸局の認証を受けた自動車特定整備事業の工場です(認証番号 第2-5680号)。その認証の範囲には、電子制御装置整備も含まれます。

仕上がったあと|修理した所の保証書と、塗装面のお手入れ
修理を終えたこのヴォクシーには、ケービーエスの修理保証書をお渡ししています。保証の対象は、保証書の図に示した今回の修理箇所です。長く使ううちの劣化や、さびによる不具合は対象外と、保証書に書かれています。塗装した面のお手入れの時期は、板金塗装のあとの洗車やワックスの記事が参考になります。
職人の想い|外から見えないエンジンルームの中まで
フェンダーやボンネットを付けると見えなくなるエンジンルームの中の部材も、まわりを紙で覆って黒に塗りました。新しいボンネットとフェンダーも、足付けをしてから色をのせています。
修理中の代車|同じヴォクシーや、3列シートのミニバン
このヴォクシーは、3列シートの8人乗りです。ケービーエスの勝田レンタカーで貸し出す車には、同じヴォクシー ハイブリッドと、兄弟車のノア ハイブリッドが入っています。近い大きさのミニバンでは、ステップワゴン スパーダ e:HEVとセレナ e-POWERの4WDがあります。ひと回り大きい40系アルファードも登録しています。小さめの3列シートなら、フリード e:HEVの7人乗りもあります。ノアとヴォクシーの代車は、ノアやヴォクシーを代車で借りられますか?で紹介しています。
当社ではレンタカー登録(わナンバー)の車両を200台以上保有しています。乗る人数や普段の使い方をお聞きして、空き状況を確認しながらご案内します。
ご用意できる車種は、保険の内容・事故の状況・空き状況によって変わります。特定の車種を必ずご用意できるとは申し上げられませんので、まずはご相談ください。
勝田レンタカーの事故代車ラインナップ例






まとめ|90系ヴォクシーの前まわりを引き作業と部品交換で
この90系ヴォクシーは、押された車体を引いて整え、クロスメンバーやラジエーターサポートまで替えて、218の黒で塗った事例です。
奥まで傷んだ車のご相談も、お見積りのページから写真を添えてお寄せください。ほかの修理の様子は、修理事例の一覧にまとめています。お気軽にお問い合わせください。
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修理のご相談
よくある質問
- 90系ヴォクシーの前まわりが、奥の部材まで押されました。直して乗れますか?
- 直せる場合があります。今回の90系ヴォクシーは、車体をチェーンで引いて形を戻してから、クロスメンバーやラジエーターサポートまで取り替えて組み上げました。どこまで直せるか、どう直すかは、実車を分解して確かめてからご説明します。
- ヴォクシーのメーターに「機能故障 販売店で点検」と出ました。前方レーダーは修理のあとに確かめてもらえますか?
- 診断機で確かめられます。今回の90系ヴォクシーでは、組み付けのあとの全体スキャンで赤(異常)の箱がないことを見てから、前方レーダーの調整に進みました。報告書の画面に、「前方光軸調整(動的校正)」の結果が「成功」と出るところまで確かめています。電子制御装置整備を含む特定整備の認証(第2-5680号)を受けた工場として作業しています。
- 90系ヴォクシーの前まわりが奥まで押されると、エアコンの部品も替えることになりますか?
- 傷みが奥まで届いたときは、エアコンの部品まで替えることがあります。今回の90系ヴォクシーでは、ラジエーターと、エアコンの熱を逃がすコンデンサーを取り寄せた部品に替えました。部品を付けたあとは圧力計と充てん機をつなぎ、缶に「HFO-1234yf」とあるガスを入れ直しています。
- 90系ヴォクシーの前まわりを直すと、費用と日数はどれくらいですか?
- 費用も日数も、実車を拝見したうえでお知らせします。費用は取り替える部品の数・車体を引いて形を戻す手間・塗る範囲で、日数は部品のそろう時期で変わります。今回は前まわりと奥の部品を数多く取り寄せ、ボンネットと左右のフェンダー、左右のフロントドアなどを218で塗りました。通常の見積りは無料です。
- ヴォクシーの前まわりのように、車体を引いて直す大きな修理でも、保険は使えますか?
- 保険の内容や事故の状況しだいで、使える場合があります。保険を使わずにご自分で負担される修理も承っています。どちらでも、分解して分かる奥の傷みまでふまえて、直し方を一つずつご説明します。
- 修理中の代車は借りられますか?
- ご相談いただけます。当社はレンタカー登録(わナンバー)の車両を200台以上保有しており、乗る人数や普段の使い方をお聞きしてご案内します。ご用意できる車種は、保険の内容・事故の状況・空き状況によって変わるため、特定の車種を必ずご用意できるとは申し上げられません。