横浜市都筑区の株式会社ケービーエスで、左のドア2枚から後輪のまわりまで傷んだトヨタ プリウス(60系)を修理しました。左リヤドアは新品に取り替え、左リヤクォーターは交換せずに、ドア開口部のふちをスライドハンマーで引き出して直しています。
車検証で見ると、初度登録は令和5年3月、型式は6AA-ZVW60で、ハイブリッド車のプリウスです。色はカラー番号1L0のシルバーメタリックです。なお、このプリウスは保険修理でのご依頼です。左前ドアも取り替えはせず、研いでパテとサフェーサーで面を整え、左前フェンダーから左リヤクォーターまでを同じ1L0で塗りました。
新しいリヤドアは、色を付ける前に一度車体へ取り付け、前後のパネルとの合わせを見てから、塗装ブースのスタンドに立てて単体で塗っています。後輪のアーチのモールやホイールキャップ、窓まわりのモール類も、部品の伝票のとおり新しくしました。仕上げのあと、診断機の画面でも各システムの状態を見ています。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 車種 | トヨタ プリウス(60系・ハイブリッド車・乗車定員5人) |
| 型式 | 6AA-ZVW60 |
| 登録 | 令和5年3月(初度登録) |
| カラー | 1L0 シルバーメタリック(コーションプレートの COLOR 欄で確認) |
| ご依頼 | 保険修理 |
| 損傷箇所 | 左前ドアの中ほどから後ろの端(リヤドアとの合わせ目のへこみ・線キズ)/左リヤドアの後ろの下(横に走る線キズ・へこみ)/左リヤクォーターの前の端(ドア開口部のふち・後輪のアーチの上)/後輪のアーチのモールのこすれ/左後輪のホイールキャップのこすれ |
| 修理方法 | 左リヤクォーター=ドア開口部のふちをスライドハンマーで引き出し → 研ぎ → パテ(2か所)/左前ドア=研いでパテ(交換なし)/どちらもサフェーサーのあと塗装 |
| 交換(新品) | 左リヤドア(伝票の品名は「R/ドアパネルASSY LH」)/前後のドアのベルトモール(窓の下のモール)/リヤドアのウィンドウモール(2点)・ウェザーストリップ・サービスホールカバー/クォーターのパネルプロテクタモール/後輪のアーチのモール(伝票の品名は「R/ホイルハウスモール LH」)/ホイールキャップ(1個)/フロントドアのサイレンサーパッド/リベット・グロメット・プラグなどの小物 |
| 外して作業 | 左前ドアのドアミラーとベルトモール/左のリヤランプ(クォーターに付く部分)/後輪のアーチのモール |
| 塗装 | 車体に付けたまま=左前フェンダー・左前ドア・左リヤクォーター/車から外して=新品の左リヤドア(スタンドに立てて単体で) |
| 修理後の確認 | デジタル式の角度計の軸を車体の丸い部品に当てて角度を表示/診断機でシステムの一覧を表示(赤の「異常」なし) |
| 工程 | 損傷の記録 → 部品の手配 → リヤドアとアーチのモールの取り外し → クォーターの引き出し → 研ぎ → パテ(クォーター・前ドア) → 新品リヤドアの仮合わせ → マスキング・サフェーサー → 塗装ブースで塗装(車体と、スタンドの新品ドア) → 組み付け → 完成 → 角度の測定・診断機 |
プリウスが修理で手元を離れているあいだの車も、ケービーエスで手配のご相談ができます。勝田レンタカーの保有台数は200台以上で、どれもレンタカー登録(わナンバー)の車です。プリウスPHVのZグレードや、4WDの新型プリウスHVもあります。どの車に乗っていただけるかは、空いている車とご契約の保険の内容を見てからのご案内になります。
損傷|左のドア2枚から後輪のアーチまで、線キズとへこみ
お預かりした日の写真では、傷みのある所に小さな緑のテープが貼られ、車の横には目盛りの付いたスケールが立てられています。どの高さに傷が入っているかも、写真から読み取れるようにしてあります。
左の写真で前ドアからリヤドアまでの左側面を、右の写真で前ドアの後ろ寄りを近くから見ています。前ドアには後ろの端へ向かって斜めに線キズが入り、リヤドアとの合わせ目のあたりがへこんでいます。テープの印は、前ドアの中ほどからリヤドアを通って、後輪のアーチの手前まで点々と続いていました。


左の写真はリヤドアの後ろの下です。横に2本の線キズが走り、上の線のまわりには面のへこみも見えます。後輪のまわりに付く黒い樹脂のモール(ここでは「アーチのモール」と呼びます)も、ドアに近い部分の表面がこすれて荒れていました。右の写真は左後輪のホイールキャップで、ふちに白いこすれ跡があり、ここにもテープの印が付いています。


引き出し|クォーターのドア開口部のふちを、スライドハンマーで
左リヤクォーターは車体そのものの一部で、後輪の上から車の後ろの端まで続いています。部品の伝票にクォーターのパネルは載っておらず、今回は取り替えずに板金で直しています。
作業は、左リヤドアを外してドアの開口部を出すところから始まりました。左の写真は、まさに引き出している途中です。後輪のアーチの上、ドア開口部のふちの角にスライドハンマーの先端を付け、へこんだふちを外へ引き戻していきます。スライドハンマーは、棒に通した重りを手前へ滑らせて端に打ち当て、その衝撃で先端を外へ引く道具です。先端の付いている所には焼けたような跡があり、上の面には、塗装を研いだ細かな筋が残っています。右の写真は、引き出したあとの同じ角です。角には小さな焼け跡が点のように残り、その上の面は研がれて白っぽくなっています。アーチのモールはすでに外してあり、モールを留めていた穴が、アーチのふちに沿って並んでいます。


パテ|研いだクォーターの2か所に、クリーム色で
引き出したあとのクォーターは、ドア開口部のふちから後輪のアーチの前にかけて研いであります。左の写真で、白っぽくつやが消えて見えるのが塗装を研いだ所で、アーチのふちに沿っても、研いだ跡が帯のように続いています。研いだ面にはパテをのせました。右の写真のクリーム色がパテで、付いているのは、ドア開口部寄りの上と、アーチの前の下の2か所だけです。パテの外側は、まわりの塗装へ向けて少しずつ薄く研いであります。


取り外しとパテ|前ドアのミラーとモール、後ろのランプを外す
左前ドアは、ドアミラーと、窓の下に沿って付くベルトモールを外してから作業しています。左の写真では、ミラーの付いていた窓の前の角に、取り付け部の金属が見えています。ドアハンドルの下から後ろの下にかけてはクリーム色のパテがあり、そのまわりの灰色の輪は、研いで鉄板が出た所です。右の写真は左後ろから見たところで、左リヤクォーターに付くリヤランプの部分が外され、取り付けの穴がのぞいています。塗る面にかかる部品は、このように作業の前に車から外してあります。


仮合わせ|黒い新品の左リヤドアを、色を付ける前に車体へ
伝票の「R/ドアパネルASSY LH」が、この新品の左リヤドアです。届いたときは車体の銀色ではなく、黒一色でした。その黒いままのドアを、いったん車体に取り付けています。前ドアやクォーターとのすき間と面の高さを、塗装の前に見ておくための手順です。
写真は、左が斜め後ろから、右が真横からです。リヤドアにはまだ窓ガラスも、窓の後ろの三角の部品も付いていません。ドアの後ろのクォーターにはクリーム色のパテが見え、前ドアの後ろの下にも同じ色のパテがあります。


サフェーサー|紙で範囲をしぼり、パテの上に灰色の下地
パテを研いだあと、まわりを紙で囲って、パテとそのまわりの範囲だけを出しました。前ドアは、ドアハンドルを緑のテープで包んでいます。このあと吹き付けた灰色の塗料がサフェーサーです。色を塗る前の下塗りで、パテと鉄板と元の塗装が混ざった面を、ひと色の均一な面にまとめます。
左の写真がサフェーサーを吹く前の左前ドア、右の写真が吹いたあとです。同じ向きから撮っているので、クリーム色のパテが、むらのない灰色に変わったのが分かります。


クォーターも同じように、ドア開口部のふちから後輪のアーチまでを紙の中から出しています。左が吹く前、右が吹いたあとで、2か所のパテの上に灰色の下地がのりました。


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マスキング|塗装ブースで、前フェンダーからクォーターまでを出す
色を塗る作業は、ほこりが入らないよう囲われた塗装ブースの中で行いました。車はビニールでくるみ、塗る面のまわりだけを緑のテープで縁取っています。タイヤにもビニールがかぶせてあります。
外に出したのは、左前フェンダーから左前ドアまでと、給油口のふたを含む左リヤクォーターの全体です。テープの線は、屋根や窓、バンパーとの境目のふちに沿って引かれています。下の写真は、前フェンダーと前ドア、クォーターの全体、クォーターのドア開口部のふちの順です。



新品のリヤドア|車から外し、スタンドに立てて塗る
仮合わせで車体に付けていた新品の左リヤドアは、塗装の前に車から外し、ブースの中のスタンドに立てました。左の写真ではまだつやのない黒、右の写真では1L0を塗り終えています。外側の面だけでなく、窓まわりの枠まで車体と同じ銀色です。


塗装|1L0 シルバーメタリックで、左側面をひと続きに
塗った色は1L0です。1L0という番号は、型式などと一緒に車体のラベル(コーションプレート)に記されている色の番号です。メタリックの塗料には細かな金属の粒が混ざっていて、その並び方によって、見る角度での明るさが変わります。
左の写真は塗り終えた左前フェンダーと左前ドアで、サフェーサーの灰色は見えなくなり、ブースの照明がつやの上に映っています。右の写真はクォーターのドア開口部のふちで、奥のスタンドには、塗り終えた新品のリヤドアが立っています。


引き出しとパテで直した左リヤクォーターも、給油口のふたのまわりからアーチの上、ドア開口部のふちまで、同じつやで塗り上がりました。

組み付け|ウェザーストリップ、アーチのモール、ホイールキャップを新しく
色が入ったあとに組み付けたのは、伝票で手配した新しい部品です。ベルトモールやウィンドウモール、クォーターのプロテクタモールも新しいものです。アーチのモールの写真では、トヨタの部品の箱の上にあるのが新しいモールで、床に置いてある方は車から外したモールです。床に置かれたモールには、緑のテープの切れ端がくっついたままです。ホイールキャップの写真では、車の後輪にまだテープの付いた元のキャップが付いていて、手前に袋入りの新しいキャップが置かれています。
下の写真は、塗り終えた新品のリヤドアに新しいウェザーストリップ(ドアのまわりで雨や風をふさぐゴム)を付けているところ、新しいアーチのモールと外した元のモール、袋入りの新しいホイールキャップの順です。



完成|新品のリヤドアと、直したクォーターが並ぶ左側面
新しい部品がすべて付き、左側面がそろいました。前ドアにはドアミラーが戻り、左前ドア、新品の左リヤドア、左リヤクォーターが、同じ銀色で並んでいます。

左の写真は左前から見たフェンダーと前ドア、右の写真はリヤドアを開けて見たクォーターのドア開口部です。引き出したふちの角から後輪のまわりまでが見え、アーチには新しいモール、後輪にはテープのない新しいホイールキャップが付いています。


左の写真はリヤドアから車の後ろまで、右の写真は完成した左側面と、床に置いた外した元の左リヤドアです。床のドアは後ろの下がへこみ、お預かりの日に貼ったテープも付いたままです。


修理後の確認|角度計での測定と、診断機の一覧表示
組み上がったあとは、デジタル式の角度計の軸を車体の丸い部品に当て、表示された角度を写真に残しています。左右の写真は、それぞれ別の場所に当てたときのものです。


最後は診断機の出番です。開いたのは「システムトポロジー」という画面で、車に積まれたコンピューターが、どうつながっているかを箱と線で描いた図になっています。画面の上の端に出ている読み取り結果は「プリウス」「ZVW6#」で、車を自動で判別しています。
凡例の色分けで見ると、「異常」を示す赤い箱はこの画面に一つもなく、ほとんどが「正常」の緑、残りは「構成されていません」の灰色でした。後ろの斜めから来る車を知らせるブラインドスポットモニターの略号「BSMA」「BSMB」と、障害物との距離を音で知らせる「SONAR」の箱も、緑になっています。

職人の技|ドアは替えてクォーターは引く、黒いままの仮合わせ
この修理で職人が選んだ手順を、写真と部品の伝票に残っている範囲で並べると、次の6つになります。
① ドアは取り替え、クォーターは直す ボルトで付く左リヤドアは新品にし、車体そのものの左リヤクォーターは取り替えずに(伝票にクォーターのパネルはありません)、ドア開口部のふちをスライドハンマーで引き出して直しました(引き出しの写真)。左前ドアも、取り替えずに直しています。
② パテは3か所にとどまる クォーターはドア開口部寄りの上とアーチの前の下の2か所、前ドアはハンドルの下から後ろの下の1か所です。まわりは、元の塗装へ向けて段をつけて研いであります(パテの写真)。
③ 黒いままのドアで、すき間と面を先に見る 黒いまま車体に取り付けて前ドアやクォーターとの合わせを見てから外し、スタンドの上で1L0に塗りました(仮合わせと新品のリヤドアの写真)。
④ ミラーやランプは、外してから手を入れる 前ドアのドアミラーとベルトモール、クォーターに付くリヤランプの部分、後輪のアーチのモールは、作業の前に車から外してあります(取り外しの写真)。
⑤ 下地と塗装で、覆い方を変える サフェーサーの段階は紙でパテのまわりだけを出し、塗装ブースではビニールと緑のテープで、屋根・窓・バンパーとの境目のふちに沿って広く出しています(マスキングの写真)。
⑥ 組み上がったら、表示で確かめる 完成のあとに角度計の軸を車体の丸い部品に当てて角度を表示し、診断機ではシステムの一覧に赤の「異常」がないことを見ています(修理後の確認の写真)。
職人の想い|元のクォーターを活かし、新しいドアと一枚の側面に
車体と一体のクォーターは、取り替えずに直せれば、元の車体のままお乗りいただけます。今回のプリウスでも、傷んだふちは引き出して形を戻し、新品のリヤドアは色を付ける前に車体で合わせてから塗りました。直したパネルと新しいパネルが、仕上がったあとに一枚の側面として並ぶよう、工程ごとに手を入れています。
修理中の代車|プリウスの修理期間に乗る車
ふだんからプリウスに乗っている方には、修理のあいだも同じプリウスという選び方があります。勝田レンタカーには、コンセントから充電できるプリウスPHVのZグレードや、4WDの新型プリウスHVもあります。
当社ではレンタカー登録(わナンバー)の車両を200台以上保有しています。乗る人数や普段の使い方をお聞きして、空き状況を確認しながらご案内します。
ご用意できる車種は、保険の内容・事故の状況・空き状況によって変わります。特定の車種を必ずご用意できるとは申し上げられませんので、まずはご相談ください。
勝田レンタカー|同じプリウスの代車の例


まとめ|取り替えと板金を組み合わせて直した、60系プリウスの左側面
今回のプリウスは、左リヤドアを新品に替えて塗る前に車体で合わせ、左リヤクォーターはドア開口部のふちを引き出す板金、左前ドアはパテとサフェーサーで整えて、1L0で塗り上げた事例です。アーチのモールやホイールキャップ、窓まわりのモール類も新しくし、組み上がったあとは診断機で各システムの表示を確かめました。
ドアとクォーターにまたがる傷は、どこを取り替えてどこを直すかで、作業の進め方も仕上がりの見え方も変わってきます。横浜市都筑区の株式会社ケービーエスでは、傷の写真や実際のお車を見ながら、その分け方からご説明しています。
修理のあいだの車のことも含めて、気になることがあれば、お気軽にお問い合わせください。
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修理のご相談
よくある質問
- プリウスのリヤドアとクォーターを一緒に傷めました。どちらも取り替えになりますか?
- パネルによって、直し方が分かれることがあります。今回の60系プリウスでは、左リヤドアは部品の伝票のとおり新品に替え、車体と一体の左リヤクォーターは、ドア開口部のふちをスライドハンマーで引き出してから研ぎ、パテで面を整えて直しました。左前ドアも取り替えていません。どこを替えてどこを直すかは、傷みの位置と深さを拝見してからご説明します。
- 新品のドアに替えるとき、となりのドアやクォーターとのすき間はどう合わせますか?
- 今回のプリウスでは、新品の左リヤドアを黒い色のまま一度車体に取り付け、前ドアやクォーターとのすき間と面の高さを見てから外し、塗装ブースのスタンドに立てて1L0で塗りました。車体の側の左前フェンダー・左前ドア・左リヤクォーターも、同じブースで塗っています。組み付けたあとの左側面は、完成の写真でご覧いただけます。
- プリウスの修理のあと、安全装備の表示に異常が出ていないか確かめられますか?
- 今回のプリウスでは、組み上がってから診断機で車のコンピューターのつながりの図(システムトポロジー)を出しました。赤の「異常」の箱はなく、ブラインドスポットモニターの略号「BSMA」「BSMB」や「SONAR」の箱も緑でした。確かめる項目はお車や修理の範囲によって変わるため、お預かりのときにご相談ください。
- 後輪のまわりのモールやホイールキャップのこすれも、一緒に直せますか?
- 今回のプリウスでは、こすれのあった後輪のアーチのモール(伝票の品名は「R/ホイルハウスモール LH」)とホイールキャップ1個を、新しい部品に替えました。車から外した方のモールには、損傷の印のテープが付いたままでした。同じ部品が手に入るかどうかは車種と年式によりますので、まずはご相談ください。
- 修理中の代車は借りられますか?
- ご相談いただけます。当社はレンタカー登録(わナンバー)の車両を200台以上保有しており、乗る人数や普段の使い方をお聞きしてご案内します。ご用意できる車種は、保険の内容・事故の状況・空き状況によって変わるため、特定の車種を必ずご用意できるとは申し上げられません。