横浜市都筑区の株式会社ケービーエスで、70系カムリ ハイブリッドに付いたモデリスタのフロントスポイラーの割れを、部品を取り替えずに直しました。割れた右端は裏から金属のステープルでつなぎ、表は2液のエポキシ接着剤とパテで形を整えてから、白(089)と黒の2色に塗り分けています。
傷があったのは、スポイラーの右端の下の角です。白い面と、角に入った黒いラインをまたいで割れが走り、下のふちは割れて段違いになっていました。スポイラーは車から外して、裏と表の両方から割れをつないでいます。089の白はいったん左右の端の黒いラインの所まで塗り、日を改めて黒いラインの形だけを残してマスキングし、2色目の黒を入れ直しました。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 車種 | トヨタ カムリ ハイブリッド(70系・前期) |
| 型式 | DAA-AXVH70(2WD・5人乗りのセダン) |
| グレード | G(着工伝票の記載) |
| 登録 | 平成29年11月(初度登録) |
| カラー | 089 プラチナホワイトパールマイカ(3コートパール)。089の番号は車体のコーションプレートで読み取り |
| ご相談 | ホームページを見てご依頼 |
| 修理した部品 | モデリスタのフロントスポイラー(着工伝票の名前は「Frバンパカバー(モデリスタ)」) |
| 損傷箇所 | フロントスポイラーの右端の下の角(車の右前・前輪のすぐ前):白い面と黒いラインをまたぐ割れ/下のふちの段違いの割れ/黒いすり跡 |
| 修理方法 | 部品は取り替えずに修理。車から外し、裏から波形の金属のステープルを熱で埋め込んで割れをつなぐ/表は塗装を研ぎ落として2液のエポキシ接着剤・クリーム色のパテ・サフェーサー |
| 塗装 | 外したスポイラーを塗装ブースのスタンドに立てて089の白(右端から左端まで)/日を改めて、左右の端の黒いラインの帯だけを残してマスキングし、2色目の黒 |
| 修理後の確認 | 取り付けたあとに診断機でシステムを読み込み(画面に赤の「異常」の表示なし) |
| 工程 | 傷の確認 → スポイラーの取り外し → 裏から金属のステープル → 表の研ぎ → 2液のエポキシ接着剤 → パテ → サフェーサー → 089の白を塗装 → 黒いラインのマスキングと2色目 → 車へ取り付け → 診断機で確認 |
ふだんカムリのようなセダンにお乗りなら、修理のあいだに乗る車も、大きさや乗り心地の近いものだと落ち着きます。200台以上ある勝田レンタカーのレンタカー登録(わナンバー)の車には、令和5年式のカムリ ハイブリッドも入っています。どの車に乗っていただけるかは、修理の日数の見込みと空き具合を見てからお伝えします。
ホームページを見てケービーエスへ|依頼元の欄にも着工伝票にも「HP」
お預かり証の依頼元の欄には「HP」、着工伝票の左上にも赤いペンで「HP」と書かれています。どちらも、ケービーエスのホームページからのご依頼を表す書き込みです。車検証の初度登録は平成29年11月で、顔つきは70系の前期。着工伝票の車名・型式の欄は「カムリ AXVH70 G 2500」で、エンジンの欄には2WDと書かれています。
当社の修理事例では、初めてのカムリです。お預かり証の作業内容の欄には「モデリスタ フロントスポイラー」と、修理を表す「△」の印、そして「2色ぬり」の文字が書かれていました。
損傷|スポイラー右端の下の角に、割れとすり傷
傷は車の右前、前輪のすぐ前にあたるスポイラーの右端に集まっていました。左の写真は角を斜め上から見たところで、角に入った黒いラインを横切るように細い割れが走り、その左の白い面にも割れが続いています。右の写真はさらに近づいたところです。下のふちは割れて段違いになり、白い面には黒いすり跡が横に流れていました。


直し方|スポイラーは取り替えず、外して割れをつなぐ
着工伝票では、同じ部品が「Frバンパカバー(モデリスタ)」という名前で2行に書かれ、右の欄には「脱着」「修理」と、「二色」で始まる文字が並びます。部品を取り寄せる記載はなく、割れたスポイラーそのものを直して使うという内容です。
補修と塗装は、車から外したスポイラーで進めました。裏側は割れに沿って金属のステープルを埋め込み、表側は塗装を研ぎ落としてから2液のエポキシ接着剤とパテで形を整えています。裏と表の両方から割れに手を入れているのが、この修理の中心です。
取り外し|車からスポイラーを外し、床のシートの上へ
左の写真は、スポイラーが外れた状態のカムリを正面から見たところです。バンパーのいちばん下にあったスポイラーがなくなり、グリルの下は白いバンパーのふちで終わっています。右の写真は、外したスポイラーを床に敷いたシートの上に置いたところで、手前には「HEAT REPAIR KIT」と書かれた、樹脂の補修に使う青い機械や、銀色のヒートガンが並んでいます。


ステープル|裏から割れをまたいで、金属を熱で埋め込む
スポイラーの裏側は、塗装のない灰色がかった樹脂の面です。そこへ波の形をした金属のステープルを、割れをまたぐ向きに熱で埋め込んでいます。左の写真は、青い道具の先をステープルに当てているところで、割れの線に沿ってステープルが並んでいます。右の写真は手を離した状態で、ステープルが上下2列に並び、足の先はまだ切りそろえる前です。


研ぎ|表の塗装を、割れに沿って研ぎ落とす
ステープルで裏をつないだあと、表側は割れのまわりの白い塗装を研ぎ落としました。写真で黒く見えているのは、塗装の下から出てきたスポイラーの樹脂です。研いだ所は割れに沿って帯のように続き、そのまわりの白は、まだ艶のある元の塗装のままです。

接着剤|研いだ表に、2液のエポキシ接着剤をのせる
研ぎ終えた表側には、2本の筒が並んだカートリッジをガンに付けて、2液のエポキシ接着剤をのせています。カートリッジのラベルには「EPOXY MULTI-BONDING ADHESIVE」と書かれています。左の写真がその作業中で、スポイラーを立てて、割れのあった所に黒い接着剤を広げています。右の写真は同じ右端を裏側から見たところで、割れに沿って黒い材料が付いています。


パテ|割れのあった範囲に、クリーム色で形をつける
接着剤をのせた表側には、クリーム色のパテを付けて形を整えました。左の写真は床のシートの上に置いたスポイラーの全体で、手前の右端にパテが付いています。右の写真はその右端を近くから写したもので、パテは割れのあった範囲に収まり、薄く研がれた所から下の黒い色が点のように透けて見えます。まわりの白い塗装も、艶を落とすように研いであります。


サフェーサー|直した所だけに入ったグレーの下地
パテを研ぎ終えたスポイラーは、塗装ブースのスタンドに立てました。写真は直した右端で、白い面の中の、パテを付けた範囲にだけグレーのサフェーサーが見えています。サフェーサーは、色を重ねる前に吹いて、面をそろえておくための下地です。上側の黒い部分は、この時点では艶のない状態です。

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塗装|089の白を、スポイラーの左右の端まで
白の番号089は、車体のコーションプレート(色や型式の番号が入った銘板)のCOLORの欄で確かめています。塗装も、スポイラーを車から外したままスタンドに立てて行いました。左の写真は塗る前の左端、右の写真は塗ったあとの同じ左端です。白は直した右端から反対側の左端まで塗られ、塗ったあとの写真では左右どちらの端も白一色です。左端の角の黒いラインは、塗る前の左の写真の時点で、もう見えていません。上側の黒い部分は、塗る前の写真では艶がなく、塗ったあとの写真では照明が映り込むほどの艶が出ています。


下の大きな写真が、直した右端の塗り上がりです。割れのあった角から上の面まで、パールの白にブースの照明が映り込み、サフェーサーのグレーはもう見えません。

3コートパール|外したスポイラーの上で、3つの層を重ねる
089は、白・パール・クリヤーの3層で仕上げる3コートパールの白です。
今回はこの3つの層を、車から外してスタンドに立てたスポイラーの上で重ねました。車に付いたままのバンパーの白とスポイラーが並ぶのは、塗り終えて取り付けたあとです。端の黒いラインは、このパールの白を塗り終えてから、日を改めて上に重ねています。
2色目|日を改めて、黒いラインの形を残してマスキング
白を塗り終えたスポイラーには、日を改めて2色目の準備をしています。白い面を紙で覆い、黒いラインが入る細い帯の形だけを、緑の細いテープでふちどって残しました。帯は端の角のところで向きを変える形で、テープの内側には塗り終えた白い面がのぞいています。左右の写真は、このマスキングを写した2枚です。完成の写真では、この帯の位置に黒いラインが入っています。


完成|車に戻したスポイラーと、左右の端の黒いライン
塗装を終えたスポイラーを、カムリに取り付けました。左の写真は正面から、右の写真は右前から見たところです。スポイラーの白が上のバンパーの白と並び、右前の角には黒いラインが入っています。


角を近くで見ると、左の写真はスポイラーの右端の角で、割れとすり跡のあった所が、白い面と角に沿った黒いラインに戻っています。右の写真は反対側の左端の角で、こちらにも同じ形の黒いラインが入っています。


診断機|スポイラーを付けたカムリのシステムを読み込む
スポイラーを車に戻したあと、診断機でシステムの一覧を表示しました。いちばん上の行は「自動検索」「日本」に続いて「カムリハイブリッド」「AXVH70」「A25A-FXS」。その下には、車のコンピューター(システム)が箱になって線でつながる「システムトポロジー」の図が出ています。
箱の色は、画面の凡例で緑=「正常」、赤=「異常」、灰色=「構成されていません」とされています。画面に見えている範囲では、緑の箱が38、灰色が6で、赤い箱はありません。

職人の技|割れを裏と表から止め、白と黒を塗り分ける
このスポイラーの修理で、写真と書類から確かめられる手間を順に挙げます。
1. 取り替えずに、外して直す お預かり証と着工伝票のとおり、スポイラーは部品を取り寄せず、車から外して修理しています(取り外しの写真)。
2. 裏から、割れをまたぐステープル 割れに沿って、波の形の金属のステープルを上下2列に熱で埋め込み、割れの両側をつないでいます(ステープルの写真)。
3. 表は研いでから、2液の接着剤 表の塗装を割れに沿って研ぎ落とし、出てきた樹脂の上に2液のエポキシ接着剤をのせています。裏側にも、割れに沿って黒い材料が付いています(研ぎと接着剤の写真)。
4. パテとサフェーサーは、割れのあった範囲に クリーム色のパテも、グレーのサフェーサーも、右端の割れのあった範囲に収まっています(パテとサフェーサーの写真)。
5. スタンドに立てて、左右の端まで白 塗装ブースのスタンドに立て、直した右端から反対側の左端まで089の白を塗っています(塗装の写真)。
6. 黒いラインは、形どおりにマスキングして2色目 白を塗り終えてから日を改め、黒いラインの帯だけを残して紙とテープで覆いました。完成の写真では、左右の端に黒いラインが入っています(2色目と完成の写真)。
7. 付けたあとに診断機 取り付けを終えたカムリに診断機をつなぎ、画面に並ぶシステムの色を確かめています(診断機の写真)。
職人の想い|付ければ見えなくなる裏側から、順に手を入れる
裏に並べたステープルは車に付けてしまえば外から見えず、表にのせた接着剤やパテも、塗り終えれば隠れます。それでもこのスポイラーは、見えなくなる裏側から順に手を入れ、最後は角の黒いラインまで元の形に戻しました。取り替えずに直すなら、付けたあとに隠れる裏側の手当てまでが修理のうちです。
修理中の代車|カムリをお預かりするあいだに
今回のカムリは、5人乗りのセダンです。勝田レンタカーには、令和5年式のカムリ ハイブリッド G(モデリスタ仕様)があります。お預かりした平成29年登録のカムリとは年式の違う別の車で、国内向けのカムリとしては最終型にあたります。ほかにも、セダンのレクサスIS 300h バージョンL、クラウンスポーツ(プラグインハイブリッド・4WD)、4WDの新型プリウスHVなどをそろえています。
当社ではレンタカー登録(わナンバー)の車両を200台以上保有しています。乗る人数や普段の使い方をお聞きして、空き状況を確認しながらご案内します。
ご用意できる車種は、保険の内容・事故の状況・空き状況によって変わります。特定の車種を必ずご用意できるとは申し上げられませんので、まずはご相談ください。
勝田レンタカー|カムリ ハイブリッドとほかの代車の例




カムリ ハイブリッド G(令和5年式・モデリスタ仕様)の代車を見る
レクサスIS 300h バージョンL(令和4年式)の代車を見る
まとめ|割れたモデリスタのスポイラーを、取り替えずに2色で仕上げる
今回の70系カムリは、モデリスタのフロントスポイラーの右端に入った割れを、部品を取り替えずに、裏の金属のステープルと表の2液のエポキシ接着剤でつなぎ、パテとサフェーサーで形を整えて、089の白と黒いラインの2色に塗り分けた事例です。取り付けたあとは、診断機で画面の表示を確かめました。
エアロパーツの割れは、割れの長さや場所、裏側の傷み方によって直し方が変わります。取り替えずに直せるかどうかや、塗り分けをどこまで入れるかは、割れた部品を拝見してからお話しします。
割れの写真で状態を確かめたい方も、お気軽にお問い合わせください。
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修理のご相談
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数ある工場のなかから当社をお選びいただき、ありがとうございました。カムリのスポイラーやエアロの割れ、修理中の代車まで、横浜市都筑区の株式会社ケービーエスへご相談ください。
よくある質問
- カムリのモデリスタのフロントスポイラーが割れました。交換しかないですか?
- 割れ方によっては、取り替えずに直せることがあります。今回の70系カムリ(DAA-AXVH70)では、右端の下の角に入った割れを、車から外したスポイラーの裏から金属のステープルでつなぎ、表は研いで2液のエポキシ接着剤とパテで形を整えました。お預かり証・着工伝票とも修理の扱いで、部品を取り寄せる記載はありません。割れの長さや場所で直し方は変わるため、実際の傷を見せていただいてからご説明します。
- 089の白は3コートパールと聞きました。外したスポイラーだけでも塗れますか?
- 今回のカムリでは、外したスポイラーを塗装ブースのスタンドに立て、車体のコーションプレートで読んだ、3コートパールの089で塗りました。白は直した右端から反対側の左端まで塗り、そのあと日を改めて、端の黒いラインを2色目として入れています。
- モデリスタのスポイラーの黒いラインも、元どおりになりますか?
- 今回のカムリでは、089の白をいったん左右の端の黒いラインの所まで塗り、日を改めて、黒いラインの入る細い帯の形だけを残して紙と緑のテープでマスキングし、2色目の黒を入れています。完成の写真では、右端・左端とも角に沿って黒いラインが入っています。
- 修理中の代車は借りられますか?
- ご相談いただけます。当社はレンタカー登録(わナンバー)の車両を200台以上保有しており、乗る人数や普段の使い方をお聞きしてご案内します。ご用意できる車種は、保険の内容・事故の状況・空き状況によって変わるため、特定の車種を必ずご用意できるとは申し上げられません。