横浜市都筑区の株式会社ケービーエスで、スズキのエブリイ(DA64W)の右側面の擦り傷と凹みを修理しました。傷は右フロントフェンダーから前ドア、スライドドア、クォーター(後輪の上の側面)まで続き、ドアの下のサイドシルにも及んでいました。前ドアとスライドドア、サイドシルは交換せず、研いだ鉄板にレバー式の工具やスライドハンマーの先を付けて引く、引き出し板金で形を戻しています。右フロントフェンダーは取り寄せた部品に替え、車体と同じカラー番号26U(スペリアホワイト)で塗りました。

側面の前から後ろまで傷が続いていると、ドアを何枚も取り替えることになるのか、ドアの下の部分まで直せるのか、見当がつきにくいものです。まず知りたいのは、替える所と直せる所の分かれ目ではないでしょうか。修理の前のこのエブリイも、右のフェンダーから後輪の上まで、擦り傷と凹みが横一列に続いていました。
修理前と修理後|エブリイの給油口まわり、前ドアとスライドドア
左の写真が修理前、右の写真が修理後で、どちらもスライドドアと前ドアの境目、給油口のふたのまわりです。修理前は、ドアの下側に黒い擦り傷が横に走り、給油口の横の前ドアの下の角も凹んでいました。


修理後は擦り傷も凹みもなくなり、ドアの段の線がまっすぐに通って、給油口のふたのまわりの面も整っています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 車種 | スズキ エブリイ(エブリイワゴン系・軽自動車) |
| 型式 | ABA-DA64W(車体の銘板「コーションプレート」で確認)/原動機 K6A |
| 初度検査 | 平成27年4月(車検証) |
| カラー | 26U(スペリアホワイト)。色番号も同じコーションプレートで確認 |
| 損傷箇所 | 右フロントフェンダー(前ドアとの境目の擦り傷と凹み)/右前ドアの下側/右スライドドアの下側と後ろの下/給油口のまわり/右クォーターの前と後輪の上・後ろ/右サイドシル(ドアの下の縁)/フロントバンパーとリヤバンパーの右の角/右側のホイール2本 |
| パネルごとの直し方 | スライドドア:交換せず、研いだ鉄板にレバー式の工具の先を付けて引き出し→パテ→塗装/前ドア:交換せず、下の縁の近くは工具の先、後ろの下はスライドハンマーの先を付けて引き出し→パテ→塗装/サイドシル:交換せず、スライドハンマーの先を付けて引き出し→パテ→塗装/クォーター・給油口のまわり:研ぎ→パテ→塗装/右フロントフェンダー:交換/フロントバンパーの右の角:研いでサフェーサー→外して塗装/リヤバンパーの右の角:外して塗装 |
| 取り寄せた部品 | 右フロントフェンダー/前ドアとスライドドアの窓の外側のゴム(右)/右前の泥よけ/クリップ類 |
| 塗装範囲(26U) | 車に付けたまま:窓から下の右側面(前ドア・スライドドア・給油口のまわり・クォーター)とサイドシル/台の上で:取り寄せた右フロントフェンダーと、車から外したフロントバンパー、リヤバンパーの右の角など |
| ホイール | 右側の2本を、塗装ブースで銀色に塗り直し |
| 主な工程 | 傷の記録 → 研ぎ → 工具の先を付けて引き出し(スライドドア・前ドア・サイドシル) → パテを付けて研ぐ → マスキングとサフェーサー → 塗装ブースで塗装(フェンダー・バンパーは台の上) → ホイールの塗装 → フェンダーの取り付けと組み付け → 診断機で確認 |
| 修理後の確認 | 診断機の一覧で、ECM・SRS・ABS の3つが緑(正常)の表示 |
ご相談の前に|側面が広く傷んだとき、どこまで直す?
どこを替えて、どこを直すかを判断できる技術が、ご提案できる直し方の幅になる。それが代表メッセージで伝えている考えです。
交換か修理か このエブリイでは、ドア2枚とクォーター、サイドシルを元のパネルのまま直し、右フロントフェンダーは新しい部品にしました。一般に、フェンダーはボルトなどで留まっていて、外して付け替えられる部品です。形を戻す手間が付け替える手間を大きく上回るときは、交換をご提案することがあります。その見きわめ方は、板金で直すか交換になるかの分かれ目をまとめた記事にあります。
費用 金額を左右するのは、取り替える部品、板金で形を戻す手間、塗る範囲の3つです。このエブリイでは、右フロントフェンダーなどの部品と、ドア2枚とサイドシルを引き出す手間がそれにあたります。塗る範囲は、窓から下の右側面とサイドシル、台の上ではホイール2本と右フロントフェンダー、フロントバンパー、リヤバンパーの右の角などでした。お店によって金額が違って見える理由は、同じ傷でも見積もりが倍も違うわけにまとめています。通常の見積りは無料です。内張りを外して奥を確かめるなど、見積りの範囲を超える作業が要るときは、その費用を先にお知らせしてから取りかかります。
お預かりの日数 取り寄せる部品があり、ドアやサイドシルを引き出す作業も重なる修理では、部品の届く時期と作業の量の両方で日数が変わります。実車で傷の広がりを拝見してから、目安をお伝えします。
保険を使うとき 保険を使う修理も、自費の修理もご相談いただけます。進み方の違いは、保険を使う修理と自費の修理のちがいで説明しています。
まず送っていただきたいのは、車全体と傷の寄り、車検証の3枚の写真です。側面に長く続く傷なら、真横から1枚撮っていただくと、どこからどこまで傷んでいるかが伝わります。
修理のあいだに乗る軽自動車は、ケービーエスの勝田レンタカーにもお尋ねください。レンタカー登録(わナンバー)の車が200台以上あり、スペーシアやN-BOX カスタムもその中にあります。ご案内できる車は、その時の空きや、保険の内容によって変わります。
損傷|フェンダーからクォーターまで、横一列の擦り傷と凹み
修理の前に、傷んだ範囲へ緑のテープで点々と印を付け、目盛りの棒を立てて記録しています。真横から見ると、印はフェンダーの後ろからクォーターまで、ドアの下側をなぞるように並んでいます。

近くで見ると、フェンダーと前ドアの境目には、擦り傷とともに面の凹みがありました。前ドアの下側からサイドシルにも黒い擦り傷と凹みがあり、後輪のホイールにも傷の印が付いています。下の写真は、フェンダーと前ドアの境目、前ドアの下側とサイドシル、クォーターの前と後輪の順です。



引き出し板金|スライドドアは、当て板で面を押さえて引く
凹みを表から引き出すには、まず傷んだ所の塗装を研ぎ落として鉄板を出します。引き出す工具の先にあるピン(細い金具)を、鉄板にじかに付けるためです。スライドドアの後ろの下では、研いだ所の近くに赤いアース(工具の電気を流すための金具)を留めています。

そこへ、レバー式の工具の先にある銅色のピンを付けて、外へ引きました。当て板でまわりの面を押さえながら、ピンの所を外へ引き戻す直し方です。新しい型のDA17Wで左のスライドドアとクォーターを引き出した例は、エブリイワゴンの事例で紹介しています。同じDA64系のバンで右クォーターを溶接と板金で、右スライドドアをリサイクル品で直した例は、エブリイ(DA64V)の右側面の事例です。

引き出し板金|前ドアは、下の縁の近くを工具の先で引く
前ドアも、凹んだ所の塗装を研いで鉄板を出し、下の縁の近くでは工具の先を付けて引いています。研いだ跡はドアの中ほどから下の縁まで点々と広がり、下の縁の近くの跡にだけ、引いた所の小さな跡が残っています。

給油口の横にあたる前ドアの後ろの下は、研いだ鉄板にスライドハンマー(おもりを打ち当てた勢いで引く工具)の先を付けて引き出しました。一般に、表から引き出す方法は、裏側から押したりたたいたりしにくい所でも使えます。

同じような損傷でお困りですか?☎ 045-592-1040LINEで相談見積りを相談
引き出し板金|外せないサイドシルも、車体のまま引き出す
サイドシルは、ボルトを外すだけで付け替えられる部品ではなく、車体そのものの一部です。このエブリイでは取り替えずに、研いで鉄板を出した面にスライドハンマーの先を付け、外へ引き出しました。こすったサイドシルが交換になるかどうかは、サイドステップ(サイドシル)の記事で取り上げています。

引き出したあとのサイドシルを下からのぞくと、研いだ面に、引いた所の小さな丸い跡が一列に並んでいます。この並びから、サイドシルの長さに沿って何か所も引いたことが分かります。

パテ|引き出した面の細かな凹凸を埋め、形を整える
引き出したあとの鉄板には、細かな波や凹凸が残ることがあります。それを埋めるために、パテ(凹凸を埋めて面の形を整える材料)をのせました。前ドアは下半分に広く、スライドドアや給油口のまわりにも付けています。ドアハンドルは外して作業しています。
クォーターは、緑のテープで範囲を区切ってアーチ(後輪の上の丸い縁)の上と前の下、後ろを研ぎ、そこにパテをのせて形を整えました。下の写真は、前ドアの下半分のパテ、クォーターの研いだ跡、クォーターのパテの順です。



パテは固まってから研ぎ、まわりの面へなだらかにつないでいきます。研ぎ終えたドアでは、パテが段のない広がり方で残り、ドアの横の線(プレスライン)の形も出ています。

下地|マスキングとサフェーサーで、色をのせる土台を作る
塗る前に、窓やタイヤなど塗らない所を紙やビニールで覆うマスキングをしました。テープはパネルの縁に沿って貼り、ハンドルを外した穴にも紙を詰めています。そのうえで、右側面の下側にサフェーサー(色の下に入れる下地の塗料)を吹きました。サフェーサーには、上にのせる塗料の付きをよくし、研いだ面の細かな傷を埋める役目があります。右の角を研いだフロントバンパーにも、同じようにサフェーサーを入れています。


塗装|前ドアからクォーターまで、カラー番号26Uの白で
色は、ほこりを抑えて塗る専用の部屋、塗装ブースで塗りました。車体の色は、コーションプレート(車の型式や色の番号を記した、車体の銘板)で確かめたカラー番号26U(スペリアホワイト)です。窓をビニールで覆ったまま、窓から下の右側面とサイドシルに色をのせています。塗り終えたドアの面には、ブースの照明の線がゆがまずに映っています。

フェンダー交換|届いた部品を台の上で塗り、車へ取り付け
右フロントフェンダーは、取り寄せた部品に替えました。届いた部品は、まだ車の色が塗られていない下地の状態です。塗装ブースのスタンドに載せて26Uの白で塗り、車から外したフロントバンパーも台の上で塗りました。リヤバンパーの右の角の部品も、外して台の上で塗っています。下の写真は、塗る前のフェンダー、塗り終えたフェンダー、塗り終えたフロントバンパーの順です。



塗り終えたフェンダーを車に取り付け、まわりの部品を戻していきます。床に置いてあるのは外した元のフェンダーで、修理の前に貼った緑のテープの印が残っています。前ドアとスライドドアの窓の外側のゴムと、右前の泥よけも、取り寄せた部品に替えました。

ホイール|擦れたホイール2本も、塗装ブースで銀色に
右側のホイール2本にも、修理の前に傷の印が付いていました。車から外したホイールには、茶色いしみやくすみが広がっています。タイヤの付いていない状態で塗装ブースに置き、銀色に塗り直しました。ホイールが曲がっていたり割れていたりするときは、塗装ではなく交換をご提案しています。詳しくはアルミホイールのガリ傷の直し方にまとめています。


完成|フェンダーからクォーターまで、一続きの白い側面に
組み上がったエブリイを、右前の斜めから写しました。取り替えたフェンダーと、引き出して直した前ドアやスライドドアが、同じ白でそろっています。

下の写真は、取り替えたフェンダーと前ドアの境目、スライドドアと前ドアの後ろ、スライドドアの後ろとクォーターの順です。



塗り直した面の洗車やワックスの目安は、板金塗装のあとのお手入れの記事をご覧ください。
修理後の確認|診断機の画面で、3つの装置とも緑の表示
仕上げたあと、診断機(車の各装置のコンピューターに記録された状態を調べる機械)をつなぎました。一覧に出た「ECM」(エンジンまわりの制御)、「SRS」(エアバッグ)、「ABS」(ブレーキ)の3つの箱は、どれも緑(正常)です。見えている範囲に、赤(異常)の表示はありません。左の白い「OBD」の箱は、診断機をつないだ差し込み口です。

職人の想い|ドア2枚とサイドシルは、元のパネルのまま
前ドアからクォーターまで、パネルの境目をまたいで続く傷でした。ドア2枚とサイドシルを引き出し、パテで面をつないでから塗った側面は、ドアの段の線までまっすぐ通っています。
修理中の代車|同じ軽のスライドドア車を中心に
このエブリイは、スライドドアの付いた軽自動車です。ケービーエスの勝田レンタカーには、同じスズキのスペーシア ハイブリッド(4WD)や、N-BOX カスタム ターボがあります。ルークス ハイウェイスターG ターボも軽自動車の候補で、荷物を多く積むならハイエース スーパーGLもそろえています。軽自動車を修理中に借りるときのことは、軽自動車を代車で借りられますか?にまとめています。
当社ではレンタカー登録(わナンバー)の車両を200台以上保有しています。乗る人数や普段の使い方をお聞きして、空き状況を確認しながらご案内します。
ご用意できる車種は、保険の内容・事故の状況・空き状況によって変わります。特定の車種を必ずご用意できるとは申し上げられませんので、まずはご相談ください。
勝田レンタカーの事故代車ラインナップ例





まとめ|エブリイの右側面、引いて直す所と替える所
このエブリイは、ドア2枚とサイドシルを表から引き出して直し、取り寄せたフェンダーと合わせて26Uの白で塗りそろえた事例です。
側面に長く続く傷でも、お見積りのページからご相談いただけます。ほかの車の側面の直し方は、修理事例の一覧に並んでいます。お気軽にお問い合わせください。
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修理のご相談
よくある質問
- エブリイの前ドアからクォーターまで、右側面が広く凹みました。パネルは全部取り替えになりますか?
- 全部を取り替えるとは限りません。今回のエブリイ(DA64W)で取り替えたパネルは、右フロントフェンダーだけです。前ドア・スライドドア・クォーター・サイドシルは、元のパネルのまま直しています。どこを替えてどこを直すかは、傷み方を拝見してからご説明します。
- エブリイのサイドシル(ドアの下の縁)の凹みは、交換しないで直せますか?
- 直せる場合があります。今回のエブリイでは、サイドシルの塗装を研いで鉄板を出し、スライドハンマーの先を付けて外へ引き出しました。そのあとパテで形を整え、サフェーサーを入れてから車体と同じ26Uで塗っています。
- エブリイのアルミホイールの擦り傷も、車体と一緒に直せますか?
- 一緒にお預かりして直せる場合があります。今回は右側のホイール2本を車から外し、塗装ブースで銀色に塗り直しました。曲がりや割れが見つかったホイールは、塗装ではなく交換をご提案します。
- エブリイの右側面をまとめて直すと、費用と日数はどのくらいかかりますか?
- 金額も日数も、お車を見せていただいてからお伝えします。費用は替える部品・板金の手間・塗る範囲で、日数は部品の届く時期と作業の量で変わります。今回は、右側面の窓より下とサイドシルを塗りました。ほかに、取り寄せた右フロントフェンダー、外したフロントバンパーとリヤバンパーの右の角、それにホイール2本などを塗っています。通常の見積りは無料です。
- エブリイの側面の修理に、保険は使えますか?
- 保険の内容や事故の状況しだいで、使える場合があります。自費で直す場合も含めて、まず側面の傷み方を拝見し、どこを替えてどこを直すかをお伝えします。
- 修理中の代車は借りられますか?
- ご相談いただけます。当社はレンタカー登録(わナンバー)の車両を200台以上保有しており、乗る人数や普段の使い方をお聞きしてご案内します。ご用意できる車種は、保険の内容・事故の状況・空き状況によって変わるため、特定の車種を必ずご用意できるとは申し上げられません。