10年乗った車を塗ると、そこだけ新しく見えませんか?

新品どおりの色をそのまま塗ると、直した所だけ浮いて見えることがあります。そのため当社では、新車の色ではなく、今のお車の色に合わせて配合を調整し、艶の出方までそろえていきます。
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新品どおりの色をそのまま塗ると、どうなりますか?
直した面だけが明るく、周りより新しく見えることがあります。
これは塗装の失敗ではなく、周りのパネルが年数のぶんだけ変化しているために起こる差です。
塗装は、屋外に置かれているあいだ、紫外線と雨と熱を受け続けています。10年も経つと、色そのものがわずかに褪せ、表面のクリア層も細かいキズや汚れを抱えます。その結果、車体全体の色は、新車のときの色から少しずつ離れていきます。
そこへ新品どおりの色を塗れば、そこだけ時間が戻ったように見えます。ですから、合わせる相手は「カタログの色」ではなく「いま目の前にある車体の色」だ、というのが経年車を塗るときの出発点になります。
色あせた車には、どうやって色を合わせるのですか?
実際の車体の色を見て塗料の配合を調整し、試し板に吹いて当ててから塗ります。
カラー番号から基本の配合を出したうえで、褪せの方向に合わせて微調整します。白系はくすんで黄色に寄る、赤系は色が抜けて薄くなる、黒系は艶が落ちて白っぽく見える、といったように、褪せ方には色ごとの傾向があります。
調整した塗料は、いきなり車体には吹きません。試し板(テストピース)に塗り、直す面のとなりに当てて、屋内の照明と屋外の自然光の両方で確認します。差があれば作り直します。塗ってからでは戻せないため、この確認を省きません。
当社は塗装ブースを2基備え、サイマ式を輸入車用、クリタ工業製を国産車用として使い分けています。乾かす条件がそろっていることも、色を安定させるうえで効いてきます。
色だけでなく、艶(つや)の差も出ますか?
出ます。むしろ年数の経った車では、色よりも艶の差のほうが目につくことがあります。
新しく塗った面は、クリアが平らで光をまっすぐ返します。一方、10年ぶんの洗車キズを抱えた面は、光が細かく散るので、しっとりと沈んで見えます。色が合っていても、この反射の違いが「そこだけ新しい」という印象を作ります。
対応としては、新しく塗る面の仕上げを整えるだけでなく、周りの面の状態を見たうえで、どこまで手を入れるかを一緒に考えることになります。何もしないという選択も含めて、ご相談のうえで決めます。
| 起きること | 見え方 | 塗るときの影響 |
|---|---|---|
| 色あせ | もとの色より薄く、くすんで見える | 今の色に合わせて配合を調整する |
| 艶引け | 光が散って沈んだ見え方になる | 新しく塗った面だけ艶が強く見える |
| 細かい洗車キズ | 近づくと細い線が無数に見える | 反射が変わり、差として目に入る |
| クリアの剥がれ・浮き | 白く濁る、めくれる | その面は塗り直しの対象になりやすい |
年数で起きる変化と、塗装への影響
まわりのパネルも磨いたほうがいいのですか?
症状によります。磨きで近づくものと、磨いても戻らないものがあります。
表面の細かいキズや、うっすらとした曇りであれば、磨くことで艶が戻り、新しく塗った面との差が縮まることがあります。一方、クリアがめくれている、下地まで色が抜けている、といった状態は、磨いても改善しません。
また、磨く作業はクリアの層をわずかに削ります。すでに薄くなっている塗装を強く磨けば、かえって傷めることにもなります。当社では、塗装面の状態を見たうえで、磨いてよい面かどうかを判断してご説明します。
| 症状 | 磨きでの改善 | 考えられる対応 |
|---|---|---|
| 細かい洗車キズ | 見込める | 塗装面の状態を見て仕上げを整える |
| うっすらした曇り | 見込める場合がある | 強く削らない範囲で様子を見る |
| クリアの剥がれ | 見込めない | その面を塗り直す前提で検討する |
| 下地まで達したキズ | 見込めない | 板金・塗装の対象として見積もる |
磨きで改善が見込めるか
古い車で、塗る前に確かめておくことはありますか?
サビ、クリアの浮き、過去に塗られた跡の三つは、先に確認しておく価値があります。
塗る面の下にサビが残っていると、上からきれいに塗っても後から浮いてくることがあります。分解して初めてサビの広がりが分かることもあり、その場合は内容と費用をご説明したうえで、ご確認をいただいてから作業を進めます。
過去に別のお店で塗られている面は、メーカーの塗装とは色味が違っていることがあります。合わせる相手はその塗られた色になるため、事前に分かっていれば、色の作り方も変わってきます。
部分的に塗るのと、広い範囲を塗るのは、どちらがよいですか?
どちらが正しいということはなく、直す目的とご予算で決まります。
傷んだ一か所だけを直すのであれば、範囲を絞るほど費用と日数は抑えられます。ただし年数の経った車では、直した面だけが新しく見える度合いが強くなります。
反対に、範囲を広げれば見え方はそろいますが、そのぶん費用も日数も増えます。当社の目安では、ドア1枚の板金塗装で4〜7日、前廻り一式で10日〜3週間程度です。乗り続ける年数や、これからの使い方をうかがったうえで、選べる案をご説明します。
実車を拝見しないと金額はお答えできません。まずはご相談ください。横浜市都筑区勝田町、045-592-1040でお受けしています。
この記事の写真は、実際にお預かりしたシエンタです
当社でお預かりしたシエンタです。ここでは、上のご説明を裏づける例としてご覧ください。1台ごとの修理の中身は、修理事例のページでご覧いただけます。


ほかの事例もご覧いただけます
・新型シエンタ 左側面を叩き出し板金で再生した修理事例
・CX-5右側面(センターピラー・サイドステップ・前後ドア)の板金塗装事例
・シエンタ 左リヤスライドドアの板金塗装と070 3コートパール塗装
・トヨタ シエンタ(5BA-NSP170G)24ヶ月点検の整備記録
・シエンタ ハイブリッド(6AA-MXP10G)7人乗りの事故代車・レンタカー
よくあるご質問
10年落ちの車でも、塗り直す価値はありますか?
これから何年乗るか、どこが気になっているかによります。一か所の損傷を直したいのか、全体の見た目を戻したいのかで、選ぶ範囲も費用も変わります。実車を見てご説明します。
どうせなら全体を塗ってもらったほうがいいですか?
全体を塗れば色と艶はそろいますが、費用と日数は大きく増えます。当社では、直したい理由をうかがったうえで、範囲の異なる案をご説明し、選んでいただいています。
サビが出ているところも直せますか?
広がり方によります。表面のサビと、内側から進んでいるサビでは対応が変わります。分解して初めて範囲が分かることもあり、その場合は内容と費用をご説明してからお進めします。
昔ぶつけて直したところを、もう一度塗ることはできますか?
できます。ただし合わせる相手は前に塗られた色になります。塗膜が重なっている場合は、状態を見たうえで、どこまで剥がすかを判断します。
色あせがひどい車は、色を合わせられないのですか?
褪せ方に合わせて配合を調整しますので、近づけることはできます。ただし褪せ方が面ごとに違う車では、どうしても差が残る場合があります。事前にその見込みをお伝えします。