全損と言われましたが、直して乗ることはできますか?

できる場合があります。「全損」は保険の手続きの中で使われる言葉で、その車が二度と直せないという意味とは限りません。実際に直せるかどうかは、車体の骨格の状態を実車で確かめてから判断します。
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「全損」と言われたら、その車はもう直せないのですか?
直せる場合があります。「全損」は保険の手続きの中で使われる言葉で、その車が二度と直せないという技術的な結論とは限りません。当社にも「保険会社から全損と言われました。もう手放すしかないのでしょうか」というご相談が届きます。実際に車を拝見すると、骨格の変形が修正できる範囲に収まっていることもあれば、逆に外から見えない奥の部分まで影響が出ていることもあります。
ただ、技術的に直せるかどうかと、修理の費用がどこまで支払われるかは、別々の話です。全損としてどのように扱われるか、保険金がどのように支払われるかは、ご契約の内容と保険会社の基準によって決まります。必ずご加入の保険会社にご確認ください。当社が行うのは、修理の内容と費用について保険会社のご担当者に技術的なご説明をすること(協定)です。
この記事では、金額や損得の比較には入らず、「その車が技術的に直せるのか」という一点にしぼってご説明します。
保険で言う全損と、技術的に直せない状態は何が違うのですか?
判断している人と、判断の物差しが違います。保険の手続きで使われる全損は、保険会社がご契約の基準にもとづいて決めるものです。一方、技術的に直せるかどうかは、修理工場が車体の骨格や部品の状態を見て判断します。同じ言葉でも指しているものが違うため、片方で全損と言われた車が、もう片方では修理できる、ということが起こります。
もうひとつ、日常の会話で使われる「もう全損だよ」という言い方もあります。これは大きく壊れて走れない見た目を指した言葉で、決まった基準にもとづくものではありません。ご家族やお知り合いのお話と、保険会社からの正式なご説明は、分けて受け止めていただくと整理しやすくなります。
| 使われ方 | だれの判断か | 車が直せるかどうか |
|---|---|---|
| 保険の手続きで言う全損 | 保険会社(ご契約の内容と基準による) | 直せるかどうかとは別の話 |
| 技術的に直せない状態 | 修理工場(実車を見て判断) | 直せないという意味になる |
| 会話で言う「全損」 | 決まった基準はない | 判断の材料にはならない |
「全損」という言葉の3つの使われ方
直せるかどうかは、どこを見て判断するのですか?
はじめに、車体の骨格(フレーム)がどこまで影響を受けているかを見ます。骨格は車の背骨にあたる部分で、ここが変形していると、外側の板だけを直しても寸法が戻りません。当社ではフレーム修正機に車体を固定し、左右の寸法を測りながら状態を確かめます。数値で確かめられるので、修正で戻せる範囲かどうかの見きわめは、この段階でかなりはっきりします。
次に、足回り、エンジンルームの中、電子部品の状態を確かめます。近ごろの車はカメラやセンサーが多く、ぶつかった衝撃で取り付け位置がずれていることもあります。当社は自動車特定整備事業の認証工場(関東運輸局・認証番号 第2-5680号)で、認証の対象には電子制御装置整備が含まれます(自動運行装置を除く)。必要になる作業は車種によって異なりますので、どこまで対応できるかは実車を拝見してからのご案内になります。
また、分解して初めて分かる損傷もあります。外から見て軽そうでも内側が押されていることがあり、この段階で判断が変わる場合があります。追加の損傷が見つかったときは、内容と費用、直し方をご説明し、必要な確認をいただいてから先へ進みます。
| 見るところ | 何を確かめるか |
|---|---|
| 車体の骨格(フレーム) | 寸法のずれ。修正で戻せる範囲かどうか |
| 足回り | 取り付け部の変形。まっすぐ走れる状態か |
| カメラ・センサーなどの電子部品 | 取り付け位置のずれや作動の状態 |
| ドア・ボンネットの開閉 | 立て付け。すき間が均一に戻るか |
| 内側のパネルや部品 | 交換が必要な部品がどれだけ増えるか |
直せるかどうかを見るときの主な確認先
骨格が曲がっていても、直せることはありますか?
あります。骨格の変形は、フレーム修正機で車体を固定し、寸法を測りながら少しずつ力をかけて戻していく作業です。当社では、鈑金責任者をはじめとする職人が、この作業を日常的に行っています。公開している修理事例にも、骨格の修正を伴うものが含まれています。
一方で、判断が難しくなる場合もあります。変形が複数の骨格に及んでいるとき、パネルを切り継いで交換する必要があるとき、部品の供給に時間がかかるときなどです。こうした場合は、作業の量も日数も増えます。直せるかどうかだけでなく、どこまでの作業になるかを先にご説明したうえで、進め方をご相談します。
なお、骨格の修正は元の寸法に近づけていく作業です。寸分たがわず同じ状態に戻る、というお約束をするものではありません。仕上がりについても、できることとできないことを先にお伝えするようにしています。
全損と言われた車を直すと、どれくらいの日数がかかりますか?
保険会社との確認、部品入荷、追加損傷、骨格修正の有無で延びる場合があります。
この日数のほかに、作業に入るまでの時間もかかります。大きな損傷ほど部品の点数が増えるため、ここが長くなりやすい部分です。
お預かりが長くなる分、代車のご相談も多くいただきます。当社が保有するレンタカー登録(わナンバー)の車両は200台以上です。車両の年式や修理の内容、ご利用の条件などに応じて、一部の車両を無料代車としてご案内する場合があります。進み具合のご連絡は、入庫、見積のご提出、追加損傷が見つかったとき、納期が変わったとき、完成のときなど、節目ごとにお伝えします。
直して乗り続けると決めたら、まず何をすればいいですか?
まずは動かさず、そのままの状態でご連絡ください。走れる状態に見えても、足回りやタイヤの当たり、ライトの向きなどに影響が出ていることがあります。
ご相談のときにお手元にあると早いのは、車検証、保険証券、保険会社から伝えられた事故受付番号です。あわせて、ご契約の保険会社には「修理工場をどのように決めるのか」「支払いはどこまでになるのか」をご確認ください。ここはご契約の内容によって決まる部分で、当社では判断できません。
通常の見積りは無料です。ただし、原因を特定するための分解や診断など、通常の見積りを超える作業が必要になる場合は、事前に費用をご説明してから行います。実車を拝見しないと金額はお答えできませんので、まずは車を見せていただくところからお願いしています。
この記事の写真は、実際にお預かりしたノートです
当社でお預かりしたノートです。ここでは、上のご説明を裏づける例としてご覧ください。1台ごとの修理の中身は、修理事例のページでご覧いただけます。


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修理にかかる日数は、損傷の範囲や部品の入荷状況によって変わります。実車を拝見したうえでご案内します。
お引き取りにうかがえる場合があります。対応できる範囲は、お電話でご確認ください。
よくあるご質問
保険会社に全損と言われた車でも、見てもらえますか?
はい、拝見できます。技術的に直せるかどうかは、骨格や足回り、電子部品の状態を実車で確かめて判断します。そのうえで、直し方と日数をご説明します。保険金の扱いはご契約の保険会社にご確認ください。
廃車にするかどうかは、いつまでに決めればいいですか?
期限は、ご契約の保険会社の手続きや、車を保管している場所の事情によって変わります。当社では決められませんので、保険会社のご担当者にご確認ください。車を拝見するだけであれば、早めにご相談いただくほど選択肢が残ります。
エアバッグが開いた車も直せますか?
車の状態によります。エアバッグが作動している場合、交換になる部品の点数が増え、周辺の部品や電子部品の確認も必要になります。対応できるかどうかは、実車を拝見してからのご案内になります。
骨格を直した車は、また同じところが弱くなりませんか?
骨格の修正は、寸法を測りながら元の数値に近づけていく作業です。どこまで戻せているかは測定で確かめますが、事故前とまったく同じ状態になるとお約束はできません。気になる点は、お引き渡しの前にご質問ください。
修理と買い替えでは、どちらが得ですか?
損得の比較は、当社ではお答えできません。車の価値の見方や保険金の額はご契約と査定する側で決まるためです。当社からお伝えできるのは、その車が技術的に直せるか、直すとどのような作業と日数になるか、という部分です。